私の名前は岩橋望。私立の高校に通うどこにでもいそうな普通の高校1年生。
　みんなと同じように学校にきてそれほど授業なんて真面目に受けずに友達と手紙交換したり、先生にバレないようにするのが楽しい。
　中学からすこーしだけ、不良がはいっていたことは認める。

　「望、おはよ！今日も眠たそ〜なお顔」
　朝っぱらから失礼なこと言いまくりなのが、あたしの親友、神宮寺サクラ。
　みんな、サクラのことを“クラ“って呼ぶ。
　綺麗なロングで茶色い髪の毛。白い肌に細い足。完璧なクラとこんな軽い不良みたいなあたしが仲良くすることを痛い目で見てくる人もいるけど…。
　「こら、クラ！朝からなんてこと言うのよ！」
　あたしはクラのことが本当に大好きだ。
　大好きで大好きで、そして誰よりも大切な友達だ。
　「ごめんごめん！あっ、ホームルーム始まっちゃう！席戻るね！」
　クラといるときは、素の自分でいられる。
　なにより、気を遣わなくていいから、いっしょにいて楽なのかも。
　「戻るねっていってもあたしの席の後ろじゃん！本当、この前の席替えは神席引きましたな。」
　「ほんとでんなぁ、のぞみはん。」
くだらない会話でも、クラとなら楽しい。