「島城さんよね?」


30歳くらいの、スタイルの良い女の人が、私に話しかけてきた。



「瀬川凛子(せがわりんこ)。あなたの担任よ。」


ちょっとキツイ感じのする顔立ち。


「学活が始まるから、早く教室に来なさい。」



時間のことをボーっと考えている間に、ずい分時間が経ってしまったみたいだ。

さっきまでザワザワしていた掲示板の前も、今は、さくらがヒラヒラ舞っているだけだった。



瀬川先生の後を歩き教室に向かう。
先生は、私の病気や気持ちを知ってか知らずか、無言のまま歩き続けた。