時間が経過すると、校舎の前はさらに人が多くなっていた。

 その中を上田教諭はかき分けてやってきたのだ。

「上田先生ですね?」

 と、根元刑事は確認のために言った。

「そうですが……」

 上田教諭は急いできたので、額に汗がにじんでいた。

「飯田樹利奈さんが屋上から落ちまして亡くなりました」

 と、根元刑事が告げた。

「自殺ですか?」

 上田教諭は目の瞳孔を大きく開いた。

「捜査中です」

 と、根元刑事は言った。