音楽室は密閉空間なので、廊下からは中の灯りはわからなかったので、みんな立ち止まっていた。

「向こうから誰かくる」

 と、祥子が言ったので、少し戻った角に隠れた。  

 懐中電灯を照らし、警備員がゆっくりと歩いてくる。

 和也は懐中電灯を消したので、暗がりで四人は息をひそめて見守っていた。

 そこに足早に竹本教諭が通りすぎたが、四人には気がつかないで行った。

「助かった……でも、警備員はこっちにくるな」

 と、和也は言った。

「もう、駄目だ」

 と、裕一は言って立ち上がり、階段の方へ行った。