「たぶん、どこかのネジがゆるんでいたんでしょ!」

 と、祥子が言ったので、裕一は両手を頭に乗せた。

「駄目だよ、せっかく名探偵ぶりを演出しようとしていたのに……」

 と、裕一が言ったので、祥子は舌を出した。

「ごめーん」

 と、和也に両手を合わせ拝むように謝った。

「いいよ。推理するほどでもないから……」

 と、冷静に和也は言ったが、内心は怒り心頭だった。