「さすが、探偵同好会のリーダー!」

 と、裕一は和也を称えた。

「いやあ……」

 和也は照れくさそうに微笑んだ。

「でも、何でレンチを持っているのかな」

 と、祥子が言った。

「数学教師とレンチと言われても何も思い浮かばないよ」

 裕一は首を傾げた。

「先生、少し慌てていましたよ」

 と、由紀がつけ足した。

「これは、どう説明するんだリーダー」

「う~ん」

和也は急に意見を求められたので、考えこんでしまった。