時折、


「おいしい」

  とか、

「あまーい」

  とか、


 何やら歓喜の声が
 聞こえていたような気がしましたが。



 きっと


 痛みがみせた幻聴でしょう。

 そうに違いありません。


 俄かには信じられない出来事ですが、




 ただ


 青年には心当たりがありました。