それにしても、
 いつの間に傷が治ったのでしょうか?

 あれほどの傷を

 誰が

 治したのでしょうか?

 ほんの小さな切り傷さえ何日もかかるのです。

 すぐに治ってしまう怪我ではないことは、
 幼いイブでもわかります。

 が、

 治癒力を発揮したのは

 イブ本人であるとは、

 微塵も気づいていないのです。




 狐につままれたような顔をしていると、



 青年が身動ぎする気配がしました。