「ごめんなさい。汚れていたからきれいにしたの」

 人の持ち物を勝手に触ったことには、
 こちらにも非があります。

 イブは頭を下げて謝りました。
 気持ちが通じたのか、
 青年は、怒ったりする様子はありませんでした。



 それよりも。



 早く、体を休ませないと。

 血はいまだ止まる様子はありません。

 冷気が、体温を完全に奪ってしまわないうちに、
 家の中に入ることです。


 イブは手を差し伸べ。

 青年は剣を杖にして。



 立ち上がり、
 ゆっくりと進んでいきました。