さく、さく、さくっ。



 帽子に隠しきれなかった、
 くるくるの天然パーマの髪が
 頬のあたりでふわふわと揺れて。

 大きな目を輝かせて。

 ふっくらとした頬を紅潮させ、
 白い息を吐きながら。



 五歳になったばかりのイブは、
 森へと向かっていきます。




 神社の裏には、
 神霊が宿るといわれる鎮守の森があります。




 森はイブのお気に入りの場所なのです。