ごし、ごし、ごし。
 

 雪は血を吸い取り融けていきます。

 こびりついていた血が、
 だんだんと落ちていきました。

 その度に、
 気持ちよさそうな
 剣の気を感じます。

 イブの中にあった
 不快感も薄れていきます。


 ごし、ごし、ごし。


 すっかり血が浄化されると、
 美しい刀身が現れました。


 ピカピカに輝いています。


 まるで鏡のように
 イブの顔が映し出されました。