「トーコさんさ、まだ帰れないんすか?」 午後9時を回って、オフィスには私と大樹くんしかいない。 「んー。もうちょっと……」 パソコン画面から目を逸らすことなく答える。 と。 急に両頬にあったかい感触がしたかと思うと、そのままぐいっと頭を上向きに動かされる。 視界に映るのは、天井と……どアップの大樹くんの顔。 「ちょっ、大樹くんっ」