「書いてねーよーお前書いたのかよー」 隣の男子が梶の半紙をもちあげた。 「書いてあるし。ってかふつーにうまいな」 掲げられた半紙には大きく「誇」と書いてあった。 いま書道では自分のすきな文字を書くことになっていた。 菜「わー。ほんとにうまい」 あまりの凄さに声がでてた。 梶「あったりめーだ」 真面目な顔でそう言ったあと 私の目の前に大きいひまわりが咲いた。 梶が笑った。 ―これが君との最初の会話。 あなたは憶えていますか? 私は憶えています。