―― 午後からは芸術の授業2時間だった。 真面目に受ける授業じゃないからすんごいお気楽。 いつものように周りのみんなで喋ってた。 この時間が楽しいのかわかんなかったけど 頑張る理由がなかった当時の私には どうでもよかった。 ?「お前。書いたのかよー」 うちの隣の男子が誰かに急かされてる… ―――えーっと。だれだっけ。 確か。硬式野球部の梶郁(カジイク)。 将来の夢はプロ野球選手で、西武ファン…だったはず。 入学して間もなくの遠い自己紹介の記憶を 頭から掘り起こしていた。