「ていうか私が篠崎さんのこと好きかもって何」
私は次に引っかかる言葉を口にした。
「紗理奈、篠崎さんのこと好きでしょ」
麻弥がそれを言った瞬間、私の顔は途端に真っ赤に染まる。
「え、あ、その…」
「あはは、やっぱり」
「ちが…」
「じゃ、篠崎さんのこと好きかもって自分で言ってたのは何かな?」
「…」
返す言葉がなくなった。
「好き、なんだよね」
麻弥が真剣な声で言う。
「…わからない」
「何それー」
「だって好きかも、だもん。何かごめん」
「いいよ。私の方こそごめんね。でも、やっぱりゆっくり考えなよ」
「うん。ありがと」
「それじゃ、電話切るね」
「うん、また明日」
また明日。
本日2度目の言葉だ。

