「十年前のあの日も日菜はそうやって僕を止めようとしたよね。」
(あっ......思い出した。
十年前も私、同じようなことを......
確か、誰かと遊んでたら見知らぬ男の子が崖から飛び降りようとしてて一緒に遊んでた子と子供ながら必死に止めてたっけ......)
「もしかしてあの崖の時の颯君?」
「そう!!あの時は大事な犬が死んじゃって、子供ながら変なこと考えてたんだよね。でも、日菜が助けてくれて凄い嬉しかったのを今でも覚えてるよ。」
「それからというもの朝から晩まで遊んでたよね。」
「そうだね。懐かしいね。」
「でも、私たちのほかにも確か誰かいたよね?」
「そ、そうだっけ?」
私がそう聞くと颯君は急に言葉をにごした。
「うん......」
「それより!今回あそこにたってたのはただ風を感じてただけだよ。」
「そっか!!よかった。」
「心配させてごめん。でもここで出会えたのもなんかよ運命だと思うから、たまにここで集まって話さない?」
「いいね!!賛成!!」
「じゃあ、決まり。」
そうして私と颯くんは約束をした。