私はまたあいつのことを眺める。

眺めるっていうかガン見に近いけど。

目が合いそうになったらそらすし、合ってもすぐそらす。

目が合うたびに期待してしまう。

私に好意をもっているのか、

私のことが好きなのか、など。

でもすぐわれに帰る。

そんなはずはない。

あいつは遊びにしか興味がない、単純な男なのだ。余計な妄想はよそう。

私、紅月飛鳥(あかつきあすか)は今現在佐藤祐亮(さとうゆうすけ)に片思い中である。

入学した当時から一回も話していない。
ただひたすらに好きだった。

時々こんなことを思ってしまう。

『これは恋なんかじゃなくてただあの明るい性格に尊敬してるだけなんじゃないか』

でもそんなことを考えるとますます気分が悪くなりそうなので考えるのをやめることにした。

話したくても話せない。

もともと他の男子でさえも一回も話してないのだ。

他の女子からは

目ヂカラ強いからだよ〜

ガン見しないで下さい、怖いです。

などなど、目を理由に怖がられてるらしい。

くだらない理由だ。
そんなの生まれつきだし、目がかわいそう。目にあやまれ。

まぁそんなの心の中でいったってなにも起こりはしないけど。

今日もこんな感じで一日が終わる。
君と話さないで一日が終わる。
一度でもいいからあなたと話したい、会話したい。たとえ数分の会話だとしても。

あなたと喋りたい。
ただそれだけだった。

こんなことを考えてたら涙がでそうだ。
考えるのはよそう。

そう思っても考えてしまう、君の事を。