「もーう!さとり泣きすぎ!」 俺の言葉でいよいよ本気で泣き出した彼女を、松川は呆れながら頬をハンカチで押さえた。 「だって…う、嬉しくて…」 「分かったから、メイク直してもらおう?」 長い髪を綺麗にアップにした首元に、涙が落ちる。 俺も泣きそう…。 部屋を出ていく二人に背を向けて、ぐっと天井を仰いだ。 たくさんの思い出が駆け巡って、今日を迎えられた感動が胸を焦がす。 「色々あった、な…」 窓から見える洋風の庭を見つめながら、やっぱり堪えきれず涙が溢れた。 .