「肉じゃが美味しい」
久しぶりにお母さんの作ったご飯を食べた。
お父さんは相変わらず寡黙。
お母さんは、あれから何だかそわそわしている。
「明日は結城くんは来るのか?」
お父さんと目が合う。
「さとりの誕生日もあるし、四人で食事でもと思ったんだが」
「あー…そうなんだ。仕事かもしれないから聞いて、みる」
「結婚式はもう来月だろう?大丈夫なのか?」
出た。お父さんの攻撃…
ここがRPGの世界なら、突発性のボス戦だ。
「まぁまぁかな…。何とかなるよ」
高校生の頃は、それがすごく苦手だった。
社会に出て気が付いたのは、お父さんの不器用な心配の形だということ。
だから、今はくすぐったいような不思議な感じだ。

