それからあっという間に1週間が過ぎた。
ゴールデンウィークに入って、久しぶりに実家へ帰ってきた私の気持ちは浮かないまま。
もうすぐ22歳の誕生日を迎える。
3月に彼を紹介して、結婚の報告をした時は絶対に反対されると思っていた。
特に、お父さんには。
けれど、あっさり『娘をよろしくお願いします』とお父さんは静かに言ったのだ。
『いい男じゃないか。力強い目をしてる』
そうお母さんに言っていたと、後から聞いた時は涙が溢れて。
言葉に出来ない温かさに包まれた気がした。
「おかえりー」
いつ帰っても、私の部屋はそのまま。
「ただいま」
「今日は蓮くんは一緒じゃないの?」
「知らない」
お母さんはあからさまに残念そうな顔をして、ため息を吐いた。
私よりも蓮に会いたかったんじゃないかと思ってしまうほど。
「パパが一緒に飲みたいお酒があるって言ってたのよ、1日くらい休みあるんでしょ?」
「だから知らないってば。何も聞いてないもの」
「どうしたのよ、ムキになっちゃって…恐い」
「べ、別に。知らないから知らないって言っただけだよ」
荷物を置いてくる、とリビングを出た。
せっかく、帰ってきたのに…
深いため息がこぼれる。
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