駐車場に車を停めて、優花とカフェに到着した。

「さとり、ちょっと待ってて」


優花が携帯を耳に当てて、車のロックをかける。

佐々木くんにでも電話しているのかな。

店の前に立ててある看板には『本日貸し切り中』と書いてある。

「よし、さとり行こう」

「あ、うん」

優花が店のドアに手をかけて。

店の中へと入っていく。



店内は薄暗く、所々に可愛いアンティーク調の照明が光っていて。ざわざわと皆が集まっている音がして、ごくりと唾を飲み込んだ。


久しぶりに、会えるんだ…


「みんな、さとりが来たよ!」

そこにはクラスメートの懐かしい顔ぶれ。

私は笑顔で皆の輪に入っていった。

「さとりちゃん!久しぶりー!」

「えもちゃん!!」

男子も何人か来ているけれど、そこに佐々木くんや結城くんの姿はなくて。

ほんの少し、胸を撫で下ろした。


「今日は忙しい中、集まってくれてありがとう。実は、この場を借りて小田切さとりに愛の告白をしたいという人がいます!」


優花が前に立って、突然予想外の事を言い出して、わあっと皆が盛り上がる。
私はただポカンとしたまま、いまいち状況を飲み込めなくて。

「ほら、前出て!」


えもちゃんに背中を押されて優花の隣に行った。

「優花、どういうこと?」


優花はニヤニヤしたまま、何も言わずに指を鳴らした。


奥から佐々木くんに連れられて…



私は久しぶりに見るその人物に、息が止まってしまう。



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