「結城くん!!」 良かった… 頭に包帯がしてあるけれど、結城くんは驚いた顔をして私を見て。 結城くんの家族が笑顔で見守ってくれている。 「佐々木…」 結城くんの声に涙が溢れた。 「蓮ちゃん、心配させるなよ」 「悪りぃ…」 「ほら、小田切さんが一番心配したんだよ?」 「結城くん…」 私は結城くんの手をそっと握る。 温かい。 「…お前」 「……誰?」 手を振り払われて、私の手が宙を舞った。 「……誰だよ、お前」 世界が、真っ暗。 静まり返った病室を、私は飛び出した。 .