「あ~。緊張するぅ~」
私、高梨美優はめっちゃ緊張していた。
実は、今日、憧れの桜丘女学院の合格発表の日!
隣には、親友の橘梨佳。
「大丈夫だよ!うちらたくさん勉強してきたじゃん!!」
そうだけどぉ~(泣)
「ほら!早く行かないと置いてくよ!」
「えっ待ってよ~」
そして早々と校門をくぐっていく親友の背中を追いかけていった。

「も~。梨佳は速いんだから・・・っていうか、結構人いるね・・・」
そう。合格発表の紙の前にはたくさんの人だかりができていた。
「あー。ほんとだ。これじゃ見えないじゃん。」
そうブツブツ言いながらも私たちは人をかきわけて進んでいく。
そして、なんとか貼り出した紙が見えるところまで来た。
今までのことが走馬灯のように駆け巡る。
睡魔に負けそうになるときは、お互いに起こしあった。
とてもがんばった日々の結果が今ここにあらわる。
隣を見ると、梨佳はもう自分の受験番号を探していた。
行動はやいなぁ~梨佳は。
よし!私も探そ!
えーっと、私のは125・・・
120・・・123・・・125・・・127・・!?
あわてていきすぎた番号を見る。125?!
123の下に間違いなく自分の番号、125を確認する。
「うっ・・・うそ?!り、梨佳!私、受かったよ!」
「美優も!?うちも受かったよ!これで二人そろって桜丘女学院に通えるね!」
「うん!」
うれしい!
しばらく私たちは人の目も気にせずに抱き合って喜んだ。
しばらくしてやっと気持ちの整理がついてから、梨佳と別れた。

「ただいまぁ!」
「おかえり。」
むかえてくれるのはいつもニコニコの母だ。
「どうだった?試験。」
「受かったよ!!」
満面の笑みを浮かべて答えると、予想通り母は
「まぁ!良かったわねぇ!お父さん!!美優帰ったわよ!」
父は、普通のサラリーマンで、休みの日には家でごろごろしている、典型的な日本のお父さんだ。
「おぉ。美優、帰ったか。どうだった、試験は。」
「うん!合格したよ!!」
「よかったな、美優。」
「うん!」
まだ顔がにやける。
「よーし。今日はご馳走つくらなきゃね。」
やったー!
良かった・・・
受かって本当に良かった・・・







しかし、今からどんな恐ろしいことが起こるのか、私は知らなかった・・・・