心から笑える時を


「なんか雫って途中で帰ること多いよね」

一人の女子が言った。

「本当だよねぇ。でも、忙しいんじゃないの?やっぱり彼氏とかいんじゃない!?」

ここからは聴いていない。どうせきゃっきゃっした話になるのは予想がつく。

私は足音をたてないようにして昇降口へと向かった。

昇降口へ行くと会いたくない人に会うのは計算外だったけどね。

「うわっ...」

そこにはさっき女子が話していた渡辺夏樹がいた。渡辺が私に気がついた。

「うおっ!?早乙女じゃん何してんの!?」

はぁ...。せっかく女子から脱出したのに次は男子か。早く楽になりたい...。私は笑顔を作りこう言った。

「帰るだけだよ?じゃあ、また明日ね」

これで帰れる.......はずだった。