未だに咲き続けていた桜の下に私は今日も向かっていた。 だけど、今日は少しばかり違った。 桜の木は、いつもより多くの花弁を散らせていた。 総司様はいつも通りその根元に座っていた。 『総司様』 「菊花」 総司様は嬉しそうにこっちを振り返って笑った。 幸せに満ちた様な笑みを浮かべていて、何故か……私はこれまでにない程の恐怖を感じた。 『……総司様?』 「……菊花。 抱きしめてもいい?」 彼らしくもなく、そう言った。