「本当は、嫌だったのっあの女の子たちが景ちゃんの腕に自分の腕を絡ませてたのっ」


ポタポタと地面のアスファルトに涙の雫の後がつく。

「ほっ、本当はっ、景ちゃんからの告白、すごくすごく嬉しかったのっっだ、だけど素直になれなくてっぅ…ひっく」


しゃくりあげながら、嗚咽が混じる。


だけど私の気持ち、知ってほしいから。


「ご、ごめっなさー…「これ、手作り?」」


いきなり話しかけられ、あわてて顔をあげる。


「う、うん…」


「指…切ったの?」


景ちゃんが私のバンソーコーだらけの指を見て、ぽつりと言った。


「あっ、うん」


私は頷いてささっと指を後ろに隠した。


「何で隠すの」


それを見た景ちゃんが不思議そうに問いかける。


「だって…」


汚い。クラスの女の子たちの手はすごく綺麗だもん。

景ちゃんだって…バンソーコーだらけの手なんて見たくないはず。