天の邪鬼は歌がお上手


「は?って何?」










「お前"haru"知らないの?」










目線は前を向いたままだが
兄貴はビックリしてるご様子だ。












「名前と売れてるって事ぐらいは知ってるよ」











「………」














「お前それでも女かっ!?
今女の子だったら誰でも
聴いてるってぐらい売れてるんだぞっ!?
カラオケなんかで歌っちゃったりなんかしたら
少なからずモテ男くんになっちゃったりもするんだぞっ!?
本当に知らないのか!?」







すごい勢いで喋るな兄貴よ…
息つぎちゃんとしてんだろうか?












「…知らん。興味ない。
あたしはそんなミーハーじゃあない。」














「いやいや……
こいつの曲は絶対聞いた方がいい!!
マジでいい事言ってるから!!
お前は多分聴かなかったら
後で絶対後悔する事になる!!
だから聴いとけ!な!」











「はぁ?なんでそんなゴリ押しなの?
どんな感じで歌ってんのかは知らないけどさぁ〜
大体は話で聞いてるよ。
ただの男前が愛について歌ってるだけでしょ?

それを好きとかミーハーだよ。」









「そんな事言えんのは今のうちだぞ鈴…
まぁ生で聴ける機会があるんだから聴いて感動しろ…
なっ!!」












若干キレて返したにも関わらず、
兄貴はまだ興奮気味に"haru"について語る…
どんだけ"haru"に影響されてんだ…