天の邪鬼は歌がお上手





いつも兄貴の車の中は香水の匂いで充満している…
息がしにくて私の肺は泣きかけだよ…











信号で車が止まったと同時に
私はわざとトゲトゲしく
話しかけた。










「…送ってくれるのは
すごくありがたいんだけど
何の用で家に来たの?」










「携帯繋がんなかったから家にいるだろうと思って来た。
明日法事だから鈴に伝えとけって親父からの伝言。」












「あぁ……
行きたくないな。」








「でも行かなきゃ…ねぇ?」









「そうだね…」








信号が変わって
又、車が動き出した。













「あっ!そういえば話変わるけど
来週お前んとこの店に"haru"が来るんだろ??
俺の客達の間でこの話持ちきりだぞぉ〜」








「うん。
なんか有名な人らしいね。」














「は?」