「其方から出てこないなら、此方からゆくぞ……」
二つの小太刀に手を掛けるレンは抑えきれぬ殺気を放ち、隠れ見えぬ相手をジッと見据えている。
カチッ
抜こうとした瞬間ーー
その相手が草群の茂みの奥から、漸く姿を現した。
アヤとレンの前に立ちはだかる、片目の大きな優男。
レンは何も云わず、その姿をゆっくりと見上げた。
絞り柄の、紺地の着物。
少しはだけた襟刳りから、筋肉質な胸元が覗いている。
腰には何も差しておらず、不意に沸き立つ不気味さを煽った。
長い手足を持て余し、アヤとレンを見下ろす男の閉じられた片目は、弾けたかの様に陥没している。
奇妙な片目は隠される事もなくその筋の通った顔立ちに付いており、まるで自身を主張しているかの様に見えた。
場慣れしている、その男の人を見る目つき。
レンを見つめるその片目がグラリと歪み、印象的な口元を緩ませると、
男は、ニタリと笑ったーーー
二つの小太刀に手を掛けるレンは抑えきれぬ殺気を放ち、隠れ見えぬ相手をジッと見据えている。
カチッ
抜こうとした瞬間ーー
その相手が草群の茂みの奥から、漸く姿を現した。
アヤとレンの前に立ちはだかる、片目の大きな優男。
レンは何も云わず、その姿をゆっくりと見上げた。
絞り柄の、紺地の着物。
少しはだけた襟刳りから、筋肉質な胸元が覗いている。
腰には何も差しておらず、不意に沸き立つ不気味さを煽った。
長い手足を持て余し、アヤとレンを見下ろす男の閉じられた片目は、弾けたかの様に陥没している。
奇妙な片目は隠される事もなくその筋の通った顔立ちに付いており、まるで自身を主張しているかの様に見えた。
場慣れしている、その男の人を見る目つき。
レンを見つめるその片目がグラリと歪み、印象的な口元を緩ませると、
男は、ニタリと笑ったーーー



