「なぁ。
都の傍の町まで、後少しだろ。
さっさと行ってしまおう。」
コネコの喉を擽る、アヤの長い指。
アヤの膝の上で躯を丸めて、気持ち良さそうにゴロゴロと唸っている。
「そうだな。
そろそろ行こうか。」
レンの苦々しい表情に、アヤもやっと重い腰を上げた。
安住の場所を奪われたコネコは不機嫌そうに膝から飛び降りると、ミヤウと一声鳴きどこか遊びに消えてしまった。
店の入り口から、また心地良い風が入って来て、二人の頬を撫でていく。
「姐さん。
勘定は此処に置いとくよ。」
アヤがよく通る声で、奥で給仕していた若い女に声をかける。
「はーい。
ありがとうございます。」
奥から衣紋で手を拭きながら出てくる女。
ふくよかな体型が、先程食べた甘い団子を思い出す。
アヤから銭を受け取ると、その張り詰めた頬を紅く染め、店中に響く大きな声で話し始めた。
都の傍の町まで、後少しだろ。
さっさと行ってしまおう。」
コネコの喉を擽る、アヤの長い指。
アヤの膝の上で躯を丸めて、気持ち良さそうにゴロゴロと唸っている。
「そうだな。
そろそろ行こうか。」
レンの苦々しい表情に、アヤもやっと重い腰を上げた。
安住の場所を奪われたコネコは不機嫌そうに膝から飛び降りると、ミヤウと一声鳴きどこか遊びに消えてしまった。
店の入り口から、また心地良い風が入って来て、二人の頬を撫でていく。
「姐さん。
勘定は此処に置いとくよ。」
アヤがよく通る声で、奥で給仕していた若い女に声をかける。
「はーい。
ありがとうございます。」
奥から衣紋で手を拭きながら出てくる女。
ふくよかな体型が、先程食べた甘い団子を思い出す。
アヤから銭を受け取ると、その張り詰めた頬を紅く染め、店中に響く大きな声で話し始めた。



