じっとりと、
汗で濡れる白い肌。
窮屈そうに押し詰められていたさらしから、やっと解放されたかの様にその存在をさらけ出している。
鎖骨から伸びてゆく、優雅な曲線。
触れれば弾き返しそうに、神月を誘う。
闇に映える、
レンの躰ーーー
艶めかしく沸き立つ感覚に、神月は思わず生唾を飲み込んだ。
ーーー触れ…
る…
「ーーーばっ
馬鹿っ!
神月…
後ろ!!」
宙をさまよっていた、
焦点。
瞬にして合わさったレンは、自身を腕に抱きその露わになった胸元に釘付けになっている神月の視線に気付くと、
ギュッと着物の襟刳りを掻き合わせ、そう叫んだのだった。
物凄い風圧と共に気配が凪ぎ、躰を包み込んでゆく。
それを追うかの様に息をつく間もなく、化け猫の爪がレンの姿を見つめる神月を掴み、振り払っていった。
「神月ーーーーっ!」
有無を云わさず、化け猫の鋭い鈎爪に引きちぎられてゆく神月の躰。
半身をその四肢に預けたまま、薄闇に朱の鮮血が弧を描く。
鮮血の朱は、心臓が一つ打つ毎にその色を強めて見せた。
裂けた腹から覗き見える、肉塊。
爛れる帯がブチブチと厭な音を立てて、渇ききった地面に落ちてくる。
無残な神月のその姿に、レンは掴んでいたアヤの掌を更に強く握りしめたた。
「アヤぁ……
神月が、
神月が…ーー」
化け猫の鈎爪が神月の躰を捉えた瞬間、アヤを庇いながらその身をギリギリで避けたレン。
為す術も無く、
ただ、そんな力無き言葉だけが口から零れてくる。
そんなレンを嘲笑うかの様に、地に叩きつけた神月の躰を踏みにじろうと、化け猫は高く腕を上げた。
「これで、
終わりだァーーーー!」



