虹の架かる橋

「ってか、もしかしてあんた達、妖しい関係になっちゃったぁ?」
ユリは私を覗き込むように言った。


「そんな事になってなんか無いよ。」
私は慌てて否定した。


自然に否定できたかな?


と丁度よくタクとマサがレストランに来た。


「おはよう。」
挨拶を交わす。


あれ?おかしい。


食べ物では行動が早いケンが来ていない。


ケン、どうしたんだろう?


「ケンは?」
ユリがタクに聞いた。


「部屋に向かえに行ったら寝てて、起こしたからもうじき来るよ。」
とタク。


ケンが、ご飯を待たすって珍しい。


ケンをご飯が待たす事は沢山あるのに。


マサは、朝の事は何も無かったように私に接してきた。


私も、そういう様に接した。


周りに気づかれたら面倒だし。


でも、朝の事を考えると口元が緩みそうになる。


ニヤけてないかな?


たかがキスかもしれない。


だってマサは海外生活してるんだもん。


アメリカじゃあ、挨拶でしょ?


でもここは日本だし。

マサも日本人だし。


挨拶のキスじゃないよね?