虹の架かる橋

「ひとつだけ、聞いていい…?」

私は臆病になりながら、マサに訊いた。



「何?いいよ。」
マサは、思いやりのある口ぶりで言った。




「ミーと、虹の掛かる橋を見たの…?」

どうしても、訊きたかった。


訊いたからって、何かが変わる訳じゃない…。



だけど、訊きたかった。



どっちの返事でも、マサを愛する事には変わらないけど、でも日本に居る時から、頭の中で引っ掛かっていた。



マサは、落ち着いた声で、私の質問に答えた。




「見に行った…。ミーがどうしても行きたいって…。」


ちょっとショックだったけど、本当の事を言ってくれたのが嬉しかった。



「だけど、虹は出てなかったんだ…。ミーは、今度また見ようね、虹が掛かった橋を見るまで、何度でも…。って言ってたけど、ミーとは見て無いんだ。」


マサはそう話しを続けた。


「そうだったんだ…。」



「何度も見る為に、行くんじゃ意味が無いんだよ。」

マサが言った。