虹の架かる橋

マサと約束の時間まで、時間をもて余していた私は、ミーに電話をして、お茶をする事にした。


ミーに「留学してる間に淋しいと思った事ってある?」と訊ねてみた。


ミーは「そんなのいつも思うよ。」と笑いながら言った。


「文化も違うし食べ物も違うし、全てにおいて違う場所に居るんだよ?日本が恋しく思ったりもするし、日本にいる友達が、近くに居たら淋しくないのに、とか思ったりするよ。」
とミーは言った。


「ホームシックとかも?」と重ねて私は訊いた。


「うん、お母さんの料理が食べたくなるよね…。って、向こうにある外人が作った日本料理じゃなくて、日本人が作った日本料理が食べたくなる。」


ミーは感情込めて力説しているが、私は外人が作る日本料理の味が想像出来なかった。


どんな味がするんだろう?


ミーの口振りでは、あまり美味しそうには思えないけど…。


でも、ミーにその話しを聞いて良かった。


私がマサにしてあげられる事が一つ見つかった。


今日は外食じゃなくて、マサにご飯を作ってあげたいな…。