タクのお家になんとか着いた。


そして、マサがNZに帰った事を報告して泣いた顔の私を見て、タクは私に話しをしてくれた。


「マサね、ケイに言わないで行った事があるんだ。」


「うん。」
私はタクの話に水を差さないように聞いている。


「マサの元カノの話なんだけど…。聞いてないよね?」


「うん……。」
前にここに来た時に、夜中話してた事だ!!


「マサね、高校の時付き合ってた子が居て、そのまんまNZに行ったんだって。」


「うん…。」


「そして、その子は、遠距離に耐えられず、自殺しようとしたんだ……。」


「辛くて、辛くて…。」


「うん……。」


「幸いにも、命は取り留めたけど、それからその子は恋が出来なくなってしまったんだって。」


「あんまりにも、マサを好きになりすぎて、恋自体をするのが怖くなってしまったんだって。」


「え?それをどうやってマサは知ったの?マサはNZだったんでしょ?」


私はタクの話の腰を折ってしまった。


「親友が国際電話でかけてきたんだって。」


「そうなんだ……。」


だからマサは、「これ以上好きにならないで」って私に言ったんだね。


留守電のメッセージも、無理しないでって…。


でも、自殺未遂した子って今マサの事をどう思ってるんだろう…。


私はその子じゃないし、始まったばかりだからまだその辛さは解らないけど、でも私は負けたくないよ。


距離なんか……絶対!!




私は強く思った。