虹の架かる橋

「痛ぁ〜い」
私は声を出してしまった。

一斉にみんなが私を見た。

その中でもいち早く、手を貸してくれたのはマサだった。


私はマサの手を掴むと
「大丈夫?」
と声をかけてくれた。


「有難う。」
私はマサにお礼を言って、1人で歩こうとすると、手を繋いだまま一緒に歩き出してくれた。


「またコケルと危ないでしょ。」


マサはそう言って笑顔で手を強く握ってくれた。


その瞬間、私は感電したかのように身体に電気が走った。



ドキッ。



私、マサが好きかも…。


恋しちゃったかも…。


私は呆然としながら、マサに手を引っ張られた状態でホテルに向かっていた。


だって今日出逢ったばっかりだよ。


一目惚れって言葉があるけど、外見は私の好みじゃないよ?


…なんだ、このドキドキは?


そう自分の心に問いただしていた。


恋の始まりなんて、そんなもんだったけ?


ようやくホテルの正面玄関に到着したけど、時間は門限を過ぎていた。
大きな自動ドアは、センサー感知の位置に人が立っても開かない。


みんなで顔を見合わせて、しょうがなく横にある小さな扉のインターホンを押した。


3分程待たされ、従業員らしき人が中から出てきた。
私達を見るなり、部屋番号と名前を聞いてきた。


従業員はメモを取っている。


きっと明日、教習所で怒られるんだろうなぁ…。
って、みんなが思ってた。