それから、クラスで
ななちゃんと前田くんが話ているのを
何度か見かけたが、わたしは
現実を受け止めたくなくて
見て見ぬ振りを繰り返した。

そのことを、メールで沙織に伝えると
まー、そのうち別れるって!
というわけのわからない
別れる、だなんてどこにも保証ない
言葉だけが返ってくる毎日だった。


5月になり、すこしずつ暑くなってきて
GWも終わった週明け。
いつも通り学校にいくと、前田くんが
座っているのを発見した。
周りには誰もいない。
思い切って、おはよう!と
声をかけてみた。

「おはよう」
優しく挨拶してくれた前田くんが
とても好きだとわたし改めて実感した。

それからというもの、
わたしはなぜか勝手にライバルだと
思っているななちゃんと仲良くなり
一緒にいるようになった。

帰り道、一緒にいるのを見ると
つらくなったが、そんなわたしに
転機が訪れた。