篤志さんは、愛希。
わたしは、篤志。

お互いそう呼ぶようになり、
わたしは敬語も使わなくなった。


真由美に報告すると、
「なーんかそんな気はしてたー
おめでとう!篤志を頼んだ!」
と、素直に祝ってくれた。

友達のお兄さんと付き合うとか
すごい複雑。でも、これでよかった。

ななちゃんにも、葵にも
他の友達にも、自慢の彼氏として
紹介しまくった。

もちろん、前田くんにも。


それから、何度か篤志とデートして、
1ヶ月がたった頃。

篤志が友達にわたしを会わせたい、
と言ってきたのだ。
もちろんわたしはOKした。


篤志との待ち合わせ場所にいたのは
女の子2人と篤志。

あ、友達って女の子なんや。
少し複雑な気持ちになったが
わたしはあいさつをした。


別に嫌な人たちではなかった。
でも話によると、女の子3人
男の子3人でよく遊んでいるらしく
篤志もそのうちの一人だった。

わたしは遊んでいたことを知らなかった。

帰ってから、メールで
”女の子と遊んでとか、知らんかった”
と送った。
すると、篤志は
”幼馴染やから、大丈夫。
もし嫌やったら、言って。”

...嫌やから遠回しに言ったんやん。

それでも篤志は、幼馴染たちと
よく遊んでいた。


ある日、わたしの中学の友達が、
男女で久々集まろーよ!と
声をかけてくれたのだ。

わたしはみんなに久々会いたくて
”行く!”と返事した。


そのことを篤志に伝えると、
すぐ電話がかかってきた。

”おめー、俺に内緒で男と会うんかよ”
”違う!てか、そんなんゆーたら
篤志だって最近までわたしに黙って
幼馴染の女の子と遊んでたりしてたやん!”
”嫌やったら言え、ってゆったやん!”
”そんなん言われたって、
普通に考えたらわかるやろ!”
”とにかく俺はあいつら(女の子の幼馴染)
とは遊ぶけど、お前は男と会うな!”

...このことでもめてしまい、
わたしは電話を切ってしまった。

当然、行く!と言ってしまったので
中学の友達たちと1日過ごした。
その日の夜。

...篤志からの電話。
わたしは電話を切った以来、
連絡拒否していたので、
でようかとても迷ったが、
平然装い、電話にでた。

”はい。”
”愛希、ごめんな。”
”なんで?”
”俺が悪かった、って今わかった
愛希ごめんな”
”ううん、わたしこそごめん”

こんな感じで仲直りし、
わたしと篤志は元通りの関係に。


それから、何度か篤志の友達含めて
遊んだりしていたが、2人だけの
時間というものがないことに
わたしは不満を持った。

”なんで最近友達含めて遊ぶん?
もっと2人の時間がほしい”
”わかった”

この会話が何回続いたのだろう。
しかし2人の時間というものが
増えることはなかった。


ある日の学校の帰り道。
電車に乗ろうとした時。

ふと見ると、女の子と歩く
篤志の姿がみられた。

え?

頭が真っ白になった。
わたしは、すぐ篤志に電話した。


”なぁ、いまどこにおる?”
”家ー”

...嘘つき。

”わたしの知らない女の子と一緒に?”
”...!!”

篤志がキョロキョロ周りを見渡す。
するとわたしと目があった。

わたしは見てもいられず、
駅のホームまで走った。