わたしが中学3年生の
2学期始め頃。

地元のA高校を受験しようと
考えていたのだが、わたしの学力では
少し無理がある、と当時の担任に
言われてしまい、他の高校を
探していた時のこと。

幼稚園は違うけど、小中一緒で
家が結構近かった友達の
中村 沙織(なかむら さおり)に
T高校に一緒に受験しないか、と
誘われたのだ。

T高校は、地元から電車2本とバスで
1時間30分くらいかかる少し遠い所に
ある高校で、噂では、ヤンチャな人が
集まる学校だと言われていた。

学力的にも、A高校より低く
わたしも沙織も頭が良くない方なので
T高校なら受かるかもしれない!
という変な期待を胸に
2人で受けることにした。


今まではそんなに連絡をとったり
遊んだりしなかったのだが、
よく一緒にいるようになり
いつの間にか”一緒にいて当たり前”
という存在になっていた。


3学期に入ると、一気に3年生は
受験モードでピリピリしていた。
だが、わたしと沙織は受験勉強も
特にしておらず、焦ることもなく
3学期を迎えた、という感じであった。

当時のわたしは、真面目ではないが
生徒会も部活の副部長もしていて
周りからはしっかり者、と思われていた。

勉強できるわけでもなく、
運動もできるわけでもないが、
行事ごとなどには積極的に
参加しているだけあって、クラスでは
そこそこ目立っていた。

沙織はというと、わたしと同じで
勉強できるわけでもなく、
スポーツできるわけでもない。
ましてや、中学生なのに学校に
ピアスをしてきたり、髪を染めたり。
少しとんがった子だったが
部活はしっかりしている子だった。


そんな2人がずっと一緒にいて
受験勉強などしてるはずもなく。
担任からも、家で勉強してるの?とか
聞かれるようになり、わたしは
少し焦るようになった。

生徒会を引退した後のわたしは、
受験のために少し勉強していたが
沙織は全くと言っていいほど
勉強をしていなかった。


そして2月の初め。
私立高校の受験が控えていた。
もちろん、わたしと沙織は
同じ私立を受験し、合格した。

私立は滑り止めのために受けたが、
本番の公立合格のためにもっと自分を
追い込まないといけないな、と思い
必死になって勉強をした。


3年生の3学期は、ほんとに
あっという間に過ぎてしまい。
卒業シーズンになっていた。

卒業式といえば、わたしは
クラス1大泣きしていて、
卒業したくないし、みんなと
離れたくないなぁ、と思っていた。

とても中学が好きだった。