父さんは淡々と話していった。



小さい頃に絵本を読んでもらった時のように、何の感情も入れずに棒読みの言葉……



由梨絵は俺と話した後、眠らない街に向かった。



誰かと待ち合わせしていたのか、デパートの前で何時間も立ち尽くしていた。



父さん達は待ち合わせ相手が誰か知らないらしいが、俺は知っている。



由梨絵と体の関係だけを持つ伸也という男。



何時間もの間、同じ場所に立っていたのを目撃した人がいたらしい。



そして、数人の男に連れられた由梨絵は人混みの中に消えていった。