由梨絵の部屋に駆け上がったけど、真っ暗な部屋には誰もいない。 「由梨絵……」 「誰?」 開けっ放しのドアの向こうから聞き慣れない声がする。 「あーお隣の……由梨なら下よ」 俺はその言葉を最後まで聞かずに走りだしていた。 ガチャン 居間の扉を開けると、ソファーに寄り添って座るおじさんとおばさん。 俺は部屋を見回し由梨絵を探す。