「何?ストーカー?」



玄関から顔を出した由梨絵の姿を目にし、期待は一気に裏切られた。



「別に」



俺はなんて答えればいいのかわからなくて下を向いた。



どこかに出かけるんだな。



今日は俺の誕生日なのに。



俺の横を通り過ぎる由梨絵の腕を何故か掴んでいた。



今日だけは側にいてほしいと無意識に思っていたのか……



それともこの後起こることの知らせだったのか……