あの日曜日 昼食のカレーを作ると、すぐに美琴ちゃんと会うからと言って家に帰ってしまったヒナ。
少しだけ不思議に思いつつ、その後は そんなに深く気にも留めてなかったんだけど
いつからか…少しずつ、ヒナの行動がおかしいって思うようになっていた。
日曜日以外にも ヒナは月曜日から金曜日の平日、学校の帰りに俺の部屋に立ち寄り、夕食を作ってくれている。
これも ヒナが自分で決めた日課だ。
そして ご主人様が帰ってくるのを心待ちにしている子犬のように…
チャイムの音と同時に玄関に猛スピードで走ってくるハズなんだけど
────ピンポーン
「あれ…出て来ない。もう帰ったのか?」
もう1度、鳴らしてみたけれど…何の音沙汰もない。
「いないのか…?」
ドアを開くと、小さなローファーが目に入った。
「いるんじゃんか…なにしてんだアイツ?」


