やっと歩きだした2人に続いて私も歩き出す。


…やっと寮に行ける。


「…華乃って呼んでねぇー!!」


なんか2人で自己紹介をし始めた流れで私にも顔が向けられる。


「…綾乃、って呼んでくれたらいいわ」


仕方なくそう言えば、


「よろしくな、綾乃!!」


満面の笑みでそう言われて、


「…えぇ、」


そう返してしまったのは反射的にだった。


友梨亜が華乃の暴走を一緒に止めてくれる望みはほぼない。


むしろ加速を手伝いそうね。


はぁ…これじゃアクセルが2人に増えただけじゃない。


…私1人で止めなきゃいけないの、


この人たちを。


あぁ、気が重い…。




でも、私はあの場所で確かに感じたんだ。


私の世界が変わる出来事が起こるって。