双龍の名を背負った女

「おぉ??なんだー!?」


「あのさぁー!!華乃たち寮の場所知らないんだけどぉー!?」


…大声で話す必要あるの、これ


「…あ、忘れてた」


…本当によく教師が務まるものだわ。


「……あ、あ、あ、あの!!!!」


いくつか“あ”を多く言った女子生徒にみんなで目を向けると、


その子は恥ずかしそうにうつむいた。


黒髪をふたつに結んだ内気そうな子。


…誰。


「えっと、高梨友梨亜ちゃんだよねっ!?」


華乃は私の心の中が読めるのかしら。


「…わ、私が案内しましょうか…??」


消え入りそうな声で呟いた高梨さん。


「そうだなー、よろしく頼むよ、高梨」