双龍の名を背負った女

もう平気なはずだった。


もう割り切っていたはずだった。


もうあの事は私の中で区切りをつけたはずだった。


大きな想いを心の奥にしまいこんで、


どんな衝動にも耐えられるように鍵をつけて、


忘れるために、どんなことにも鈍感になった。


…―はずだったのに。


牙狼がここにいると聞いた時はおろどいたけれど、


その日の夜にはもう彼等のことについて


調べることができるくらいの余裕ができてた。


華乃は多分、ずっと前から知っていた。


ここに彼らが入学することを。


名前を知らなくとも、顔を知らなくとも、


彼等の“肩書”は知っていた。