双龍の名を背負った女

その喧嘩を止めたのはやっぱり“神城夏輝”だった。


意味不明な言葉を残して。


「…はぁぁ?!

 と、特別寮生ー!?」


華乃は完全に毒気を抜かれたみたいね。


「えぇ、あなた方二人もそのようですね」


「う、うん。華乃たちもここの寮生だよ~」


「まぁとりあえず上がりましょうか?」


神城夏樹の言葉で初めて前の5人組がプールに入ったままだと気付いた。



椅子に腰かけながら、


何とも奇妙な組み合わせね、と思っていたら、


がたんっ


と横で大きな音がして思考を断ち切られた。


目を向けると、ぎゃーぎゃー言い合う華乃と猿。


うるさいわね…