下に降りると、調理場から顔を出した源さんと会った。
「お〜咲良!飯できてるぞ〜」
白髪混じりの髪の毛と髭、所々にある顔の皺は歳相応だ。
現在、55歳。
でも、源さんの作るご飯は
ほんとに美味しいの!
「源さんおはよ〜!すぐ行くね!」
源さんに挨拶をして、すぐにみんなが揃ってるであろう居間に向かう。
長い廊下の手前にある障子がみんなでご飯を食べるところ。
うちでは、家族全員で揃ってご飯を食べるという決まりなのだ。
スパンッ
「ごめんなさいっ!遅れました!」
勢いよく障子を開けると、
みんなが一斉にあたしを見る。
見渡す限り、あたしが最後。
「おはようございやす!咲良さん!」
と、ここに住んでる組員の人が
次々挨拶してくる。
「おはよう!遅れてごめんね。」
挨拶を返して、謝りながら横を通る。
少し行くと、一誠さんと愛ちゃんが1番奥に座っていて、あたしと目があった。
「おはよう、咲良。」
「おはよ〜!咲良ちゃん!」
一誠さんと愛ちゃんが声をかけてくれる。
「おはよう!遅れてごめんなさい!」
「いいんだよ、咲良。」
「そうよ〜!さあ、奏多の横に座って?」
あたしが謝ると、笑顔で許してくれて座るように促す。
奏多くんの横の空いている席に腰を下ろす。
「おはよう、奏多くん!」
「・・おはよ。そろそろ起きれるようになりなよ。」
奏多くんは呆れたように、あたしに言う。
「・・・は〜い。」
奏多くんは、一誠さんと愛ちゃんの息子で23歳にして月森組の若頭!
愛ちゃんに似て金髪で身長が高く
無駄な脂肪が全くついてない。
俗に言う、ルックスよし。
クールで常に鋭い目つきでいる。
でも、時々優しく微笑んでくれるの!
(これは咲良さん限定ですって!by組員)
そんな奏多くんはあたしの愛しい彼氏なんです!常に冷たいけど、2人の時は少しだけ優しくなるの!
「さあ、咲良も来たことだし食べようか。手を合わせて、いただきます。」
「「「いただきます。」」」
一誠さんの言葉でご飯を食べ始める。
みんなガヤガヤと喋りながら、
楽しくご飯を食べる。
