「あ…あ…」
時希は本能的に関わらないほうがいいと察した
ぶつかった相手には…
ウサギの耳が生えていたからだ
紫色の長い髪を後ろで一つに束ね、右目は前髪でかくれている。紅い瞳の、青年…
黒いスーツを着てメガネをかけている
ウサギのしっぽまでついていた
「あの…」
「じゃ!僕はこれで!」
うさ耳が口を開いた瞬間時希はくるっと背を向け逃げようとしたが…
ぼふっ
後方にも人がいたらしく
また時希は誰かにぶつかってしまった
「あ、す、すいませ…」
今度は猫耳だった
「…」
「あ、気にしないで〜。痛くなかったし〜♪」
猫耳の青年はヘラヘラと笑っている
猫のように細い目。襟足まで伸びた青い髪は毛先がほんの少し濃い
やはりうさ耳同様スーツ姿で
髪と同じ色の猫耳としっぽはピコピコと動いている
「あ。兎さぁん、いました?」
猫耳がうさ耳に問いかけるとうさ耳は静かに首を横に振った
「おい、少年」
「ふぇ?」
「こんな女の子を、見なかったか?」
うさ耳がスーツの内ポケットから一枚の写真を取り出した
そこには無愛想な顔をした
月夜の姿が写っていた
時希は本能的に関わらないほうがいいと察した
ぶつかった相手には…
ウサギの耳が生えていたからだ
紫色の長い髪を後ろで一つに束ね、右目は前髪でかくれている。紅い瞳の、青年…
黒いスーツを着てメガネをかけている
ウサギのしっぽまでついていた
「あの…」
「じゃ!僕はこれで!」
うさ耳が口を開いた瞬間時希はくるっと背を向け逃げようとしたが…
ぼふっ
後方にも人がいたらしく
また時希は誰かにぶつかってしまった
「あ、す、すいませ…」
今度は猫耳だった
「…」
「あ、気にしないで〜。痛くなかったし〜♪」
猫耳の青年はヘラヘラと笑っている
猫のように細い目。襟足まで伸びた青い髪は毛先がほんの少し濃い
やはりうさ耳同様スーツ姿で
髪と同じ色の猫耳としっぽはピコピコと動いている
「あ。兎さぁん、いました?」
猫耳がうさ耳に問いかけるとうさ耳は静かに首を横に振った
「おい、少年」
「ふぇ?」
「こんな女の子を、見なかったか?」
うさ耳がスーツの内ポケットから一枚の写真を取り出した
そこには無愛想な顔をした
月夜の姿が写っていた
