承諾しちゃったから席に向かう。
「失礼します。お待たせしました。
初めまして、ゆいきです。」
「あ、初めまして。」
うっわー。しゃべれねーよ。
何でこんなテンションで
うちの店に飲みにくるの!
しかも超男前じゃん。何これ!
整いすぎでしょ!え!
男前を目の前にちょっとだけ
テンションが上がるあたし。
「お兄さん、ビール好きなんですか?」
他愛もない話を繋げながら
慣れた手つきでテーブルを
綺麗に整えていく。
「………………。」
無理だ、続かねぇ。やっぱ苦手だ。
でもねぇ、ほんと整ってる。
ぱっちりした二重に綺麗な鼻。
男らしいけど繊細な輪郭。
襟足長めの明るい髪が似合う。
仕事何してんだろー?
こんだけ男前だったら何しても
モテるんだろなーぁ。
でも夜の世界で仕事を聞くのはNG。
で、このひとはきっと男前って
ゆわれ慣れてるからゆわない。
ゆわれ慣れてることをゆえば
他のところを見てるアピールが
薄くなるから自分の客にしにくい。
ドリンクも絶えず出てるし
こんな太客、自分の客にできないのは
もったいなさすぎる。
